水上飛行機も、個人で持てます。登録と耐空証明の条文は、陸上の飛行機と分かれていません。
違うのは操縦の免許。水上機には「水上」の等級の技能証明が要ります。
| 30秒でわかる | 陸上の飛行機 | 水上飛行機 |
|---|---|---|
| 登録・耐空証明 | 要る | 同じ条文で要る |
| 免許の等級 | 陸上単発ピストン機など | 水上単発ピストン機など(別の等級) |
| 離着陸の場所 | 航空法第79条の決まりがある | 第79条に水上の決まりが別にある |
持つための手続きは、陸上の飛行機と同じ条文
航空機の登録(航空法第3条〜第8条)と耐空証明(第10条〜第16条)の条文には、陸上機と水上機を分ける書き方がありません。
| 手続き | 中身 | 条文 |
|---|---|---|
| 登録 | 国土交通大臣の登録を受け、日本の国籍を取る | 第3条・第3条の2 |
| 耐空証明 | 有効な耐空証明が無いと飛ばせない | 第11条 |
| 耐空証明の有効期間 | 1年 | 第14条 |
| 整備 | 使う人が整備して基準に合う状態を保つ | 第16条 |
日本の国籍がある人なら、個人でも登録できます。登録と耐空証明の流れは飛行機を個人で所有するにはにまとめました。
操縦するには「水上」の等級の技能証明が要る
技能証明(操縦の免許)には、国土交通大臣が限定を付けます(航空法第25条)。
| 限定 | 付け方 |
|---|---|
| 種類(飛行機・回転翼航空機・滑空機・飛行船) | 必ず付ける(第25条第1項) |
| 等級 | 付けることができる(第25条第2項) |
| 型式 | 付けることができる(第25条第2項) |
飛行機の等級は、航空法施行規則の第53条で8つに分かれます。
| 陸上 | 水上 |
|---|---|
| 陸上単発ピストン機 | 水上単発ピストン機 |
| 陸上単発タービン機 | 水上単発タービン機 |
| 陸上多発ピストン機 | 水上多発ピストン機 |
| 陸上多発タービン機 | 水上多発タービン機 |
限定を付けられた人は、限定された等級の航空機でなければ操縦できません(航空法第28条第2項)。陸上単発の免許だけで、水上機の機長にはなれない決まりになります。
自家用操縦士の場合、実地試験に使った機体が「水上単発ピストン機」か「水上単発タービン機」なら、限定は水上単発ピストン機と水上単発タービン機の両方になります(施行規則第53条第2項)。陸上も同じ組み方です。

陸上の免許を持っていれば、水上機は練習だけで飛べるようになりますか?
空のマイカー研究所練習はできます。技能証明と航空身体検査証明を持つ人なら、限定の外の等級の機体で、機長として操縦できる人の監督の下で練習できます(航空法第35条第1項第3号)。
ただし一人で飛ぶには、水上の等級を技能証明に足す手続きが要ります。
水上の等級は「限定の変更」で足す
等級を足す手続きは、技能証明の限定の変更です(航空法第29条の2)。新しく免許を取り直すのとは別の手続きになります。
| 中身 | 決まり | 条文 |
|---|---|---|
| 申請 | 技能証明限定変更申請書(第19号様式)を国土交通大臣へ | 施行規則第57条 |
| 試験 | 学科試験と実地試験(技能証明の試験の決まりを当てはめる) | 航空法第29条の2第2項 |
| 試験の免除 | 持っている技能証明の試験と同じ科目で、国が同等以上と認めたものは申請で行わない | 施行規則第49条 |
| 限定の決まり方 | 実地試験に使った機体で等級が決まる | 施行規則第53条第1項 |
水上の等級を足すなら、実地試験は水上機で受けます。
学科試験の科目は、飛行機という種類ごとに決まっています(施行規則 別表第三)。陸上と水上で科目の表は分かれていません。
💡 学科試験は、入校前から独学で進められます。過去問を解ける場所と、使われている教材をまとめました。
離水・着水も、航空法では「離着陸」に入る
航空法第2条第6項は、離陸に離水を、着陸に着水を含めています。水上機の離水・着水にも、離着陸の決まりがそのまま当たります。
| 場所 | 航空法第79条の決まり |
|---|---|
| 陸上 | 空港等の外では、離陸・着陸をしてはならない |
| 水上 | 国土交通省令で定める場所では、離陸・着陸をしてはならない |
| 例外 | 国土交通大臣の許可を受けた場合 |
空港等には、水上空港等と水上ヘリポートという種類もあります(施行規則第75条)。

自分の家の近くの湖から飛びたいとき、何を用意しますか?
空のマイカー研究所第79条の許可を申請するときは、申請書に8つの事項を書きます(施行規則第172条の2)。場所の略図と、事故を防ぐための措置も含まれます。
申請は、離着陸する場所を受け持つ空港事務所長などを経由して出せます(施行規則第243条)。計画の段階で、まず空港事務所に相談しましょう。
| 許可の申請書に書く事項(施行規則第172条の2) |
|---|
| 氏名と住所 |
| 航空機の型式・国籍・登録記号 |
| 離陸・着陸する日時と場所(場所の略図を付ける) |
| 離陸・着陸する理由 |
| 事故を防ぐための措置 |
| 飛行計画の概要(目的・日時・経路) |
| 操縦者の氏名と資格 |
| その他参考になる事項 |
水上機を持つまでの順番
| 順番 | やること | 条文 |
|---|---|---|
| 1 | 自家用操縦士の技能証明を取る(陸上か水上の等級) | 航空法第24条〜第29条 |
| 2 | 水上の等級が無ければ、限定の変更で足す | 航空法第29条の2 |
| 3 | 機体を登録し、耐空証明を受ける | 航空法第3条・第11条 |
| 4 | 離水・着水する場所の決まりを確かめ、要れば許可を申請 | 航空法第79条 |
免許の取り方の順番はセスナの免許の取り方に、種類が違う免許の考え方は小型飛行機とヘリコプターの免許の違いにまとめました。
まとめ
- 水上飛行機も、登録と耐空証明を受ければ個人で持てる(条文は陸上機と同じ)
- 技能証明の等級は陸上と水上で別。陸上の等級だけでは水上機を操縦できない
- 水上の等級は限定の変更で足し、実地試験は水上機で受ける
- 離水・着水も航空法では離着陸。第79条に水上の場所の決まりがあり、例外は大臣の許可
- 許可の申請書には、場所の略図と事故を防ぐ措置を含む8つの事項を書く
💡 VEGAのような2人乗りの飛行機を自分で飛ばすために、2029年の納入までに準備できることをまとめました。
参照した資料(法令の条文)
- 航空法(e-Gov法令検索):第2条第6項(離陸・着陸の定義)・第3条〜第8条(登録)・第10条〜第16条(耐空証明)・第25条(技能証明の限定)・第28条(業務範囲)・第29条の2(限定の変更)・第35条(操縦の練習)・第79条(離着陸の場所)
- 航空法施行規則(e-Gov法令検索):第49条(試験の免除)・第53条(等級の限定)・第57条(限定の変更の申請)・第75条(空港等の種類)・第172条の2(離着陸の許可の申請)・第243条(申請の経由)・別表第三(学科試験の科目)
※条文は2026年10月11日にe-Gov法令検索で確認しました。