免許の費用や日程は、記事で数字にできます。けれど「実際に通うと、何が起きるのか」は、数字だけでは見えません。

VEGAを作るLAND AERONAUTICSの共同創業者・堀江貴文さん自身が、2026年に自家用操縦士の訓練を受けています。強風・梅雨・機体の点検で、予定どおりには進んでいません。

X(旧Twitter)で、実際に訓練を受けた人・飛んでいる人の投稿を探して読みました。

語を変えて16通り検索し、本人の体験だけを残しています。

💡 30秒でわかる「実際に飛ぶ人たちの声」から分かったこと

  1. 訓練は予定どおりに進まない:強風・梅雨・機体の点検でキャンセルが続く。VEGAの共同創業者でも同じ
  2. 学科は過去問が中心:ただし実地試験のずっと前に受けると、中身を忘れるという声も
  3. フライトシミュレーターは「素性」の練習になる:プロの教官の見方。一方で、着陸の精度や機体のバランスの変化は実機で覚える
  4. 持つなら共同所有という形がある:年1回の耐空検査と駐機料を、2〜4人で分ける
  5. 日本で「スポーツパイロット免許を持っている」人は見つからなかった:日本にはLSA専用の軽い免許が無いため

一般の方の投稿は、アカウント名を載せずに内容だけを短く紹介しています。

名前を出しているのは、公人と、プロとして発信している方だけです。

目次
  1. 1. VEGAの共同創業者も、訓練は天気で延びる
  2. 2. 実地試験は1回で通るとは限らない
  3. 3. 海外で取っても日本では書き換えが要る
  4. 4. シミュレーターで覚えるのは操作の手順と素性
  5. 5. 持つなら、共同所有という分け方がある
  6. スポーツパイロット免許を持つ人は見つからない
  7. まとめ:訓練は延びる前提で1年の計画を立てる
  8. 出典

1. VEGAの共同創業者も、訓練は天気で延びる

VEGAを作るLAND AERONAUTICSの共同創業者兼取締役・堀江貴文さんは、2026年の春から自家用操縦士(飛行機)の訓練の様子をXに書いています。

時期 本人の投稿から
5月(連休) 4日連続で訓練を予約。初日は強風で中止、2日目は訓練会社側の手続きの問題で中止。3日目にやっと飛べた
6月上旬 茨城県の竜ヶ崎飛行場で2回目のソロフライト(教官が降りて1人で飛ぶ訓練)。前日は気流が悪くて中止
6月10日 初めてのソロでのタッチアンドゴー。教官席が空くと機体のバランスが変わる。着陸直前の機首上げが強すぎてバウンドした
7月中旬 梅雨で2回キャンセルになり、約1か月ぶりのフライト。いつもの機体が定期点検中で、別の機体で訓練
7月下旬 CBT(パソコンで受ける試験)で学科試験の5科目(航空法規・航空通信・航空気象・航空工学・空中航法)を受験。過去問中心に勉強した
8月 学科の勉強に使った過去問アプリを自作して一般公開。「教材の使い勝手があまりよくない」と感じたのがきっかけ

読みどころは、お金や時間の余裕がある人でも、空の都合には合わせるしかないということです。

小型機は横風に弱く、梅雨には飛べない日が続きます。機体には定期の点検があります。

これは、当研究所がスクールの資料から書いてきたこととそのまま重なります。

飛べない日が増えれば期間が延び、期間が延びれば費用が増える。

だから「最短6か月」ではなく、1年で終わる計画を立てておくのが現実的です。

\ 期間の上限と、天候で延びるぶんの費用 /

💡 スクールによっては、訓練期間に上限があります(本田航空は15か月)。

見学で聞いておきたい7つの質問と、スクールの総額の例はこちらです。

👉 『自家用操縦士スクール比較|総額が分かるのは7校中1校・約600万円』を見る

2. 実地試験は1回で通るとは限らない

スクールや飛行クラブで実際に免許を取った人の投稿からは、まっすぐには進まない道のりが見えます。

  • 仕事をしながら1年半:ヘリコプターの自家用操縦士を目指した会社員の方。訓練費を先に払って「退路を断ち」、訓練の様子を記録しながら進めて、1年半で実地試験に合格。初めてログブックの機長の欄に時間を書いたと書いています
  • 学科は全科目合格、でも「早すぎたかも」:同じ方は、学科試験に先に全科目合格したあとで「実地試験があるのだから、もう少し後に受けたほうが内容を覚えていられた」とも振り返っています。気象が苦手だったとも
  • 3度目の正直:自家用の実地試験に3度目で合格し、「やっとパイロットになる夢を叶えた」という投稿
  • 大学の航空部で5人:複数の大学の学生が、同じ時期に5人で自家用の実地試験に合格
  • 学科合格の期限に追われる:県の自家用操縦士協会の投稿では、会員が学科合格の期限の都合でタイトな日程の中、訓練に向かっている様子が書かれています
  • 口述の質問がある:訓練を請け負う事業者は、実地試験で実際に聞かれた口述の質問を問題にして出しています

実地試験は、1回で通るとは限らない試験です。

そして学科は、合格したら終わりではなく、実地試験までの時間とのかね合いがあります。

\ 学科を受ける時期と、無料の過去問 /

💡 学科試験は年6回。

CBTでの受け方と、会場予約だけでは無効になる申請の注意、国土交通省が無料で公開している過去問の場所はこちらです。

かこもんWEBならスマホで解けます。

👉 『自家用操縦士 学科試験の過去問と参考書|無料で解ける場所と教材』を見る

3. 海外で取っても日本では書き換えが要る

  • 2001年に、アメリカのデンバーで約2か月:飛行機のライセンスを取った方が、当時乗っていたセスナ152がいまもシカゴ近郊で飛んでいるのを、飛行機の追跡サイトで見つけた、という投稿。20年以上前の訓練機が、いまも現役です
  • フィリピンで40時間:自家用操縦士の飛行訓練40時間の中身をまとめた投稿
  • アメリカで取って、日本の免許に書き換え:アメリカで自家用・事業用を取ったあと、日本の免許にするための訓練と試験に進んだという投稿

海外で取っても、日本で飛ぶには書き換えの手続きが要る。これは免許の費用の記事で書いた注意とも一致します。

4. シミュレーターで覚えるのは操作の手順と素性

ここは、プロの見方がはっきりしています。

事業用操縦士(日本と米国)と操縦教育証明を持つエアショーパイロットのMasaさん(Whiskey Papa Airshows)は、Xで「フラシム・ラジコン・実機はそれぞれ少し違うが、挙動の素性は同じ」と書いています。

繰り返し練習がしやすく、自分の操作を客観的に見られるので、それで研究して練習した人の意見は実機でとても役に立つ、という趣旨です。

実際に、シミュレーターから実機へ進んだ人もいます。

  • フラシムで十数年・約2000時間、それから実機へ:超軽量動力機(ごく小さな飛行機)で飛び始めた訓練生の方。「実機で役立ったこと・役立たなかったこと」をまとめたいと書いています(まだまとめる前です)
  • 家のシムでも、着陸は難しい:Microsoft Flight Simulator 2024のセスナの訓練のあと免許の試験を受けたら、着陸の停止位置が手前になって何度やってもうまくいかない、という投稿
  • 現役の機長が、ゲームの訓練モードに挑戦:現役の機長がMSFS2024で自家用操縦士の訓練モードを配信し、「意外と難しい」と題していました

一方で、1章の堀江さんの投稿にあった「教官が降りると機体のバランスが変わる」「着陸直前の操作が強すぎてバウンドする」という感覚は、家のシミュレーターでは出にくいところです。

シミュレーターで覚えられるのは操作の手順と機体の動きの「素性」、体で覚えるのは実機。

そう分けて考えると、家で練習する意味がはっきりします。

\ 家で「素性」を練習する道具 /

💡 手持ちのゲームパッドなら0円、ソフトは月1,000円台から。

コントローラーを買うなら順番は3つ(1本目のジョイスティックは5,000円〜)。

家で飛んだ時間が免許に入るかどうかもまとめました。

👉 『フライトシミュレーター コントローラーおすすめ|買う順番は3つ』を見る

5. 持つなら、共同所有という分け方がある

  • 中古のセスナを共同所有:普段は機体を貸し出している方。東京・池袋から埼玉のホンダエアポートまで車で約70km、1〜2時間かけて通っているそうです。別の投稿では、年1回の耐空検査や駐機料がかかり、1人で占有するより2〜4人くらいで共同所有するのがちょうどいいと書いています
  • カナダでセスナ172を共同所有:一緒に持っている人と飛んで離着陸の練習をし、1時間飛んだときの燃料代を公開していました
  • 那覇の空で:エアライン、自衛隊、警察、海上保安庁の機体に混ざって小型機で飛べるのが楽しい、という自家用操縦士の方
  • 家族を乗せたら:飛行クラブに入り、家族を乗せて飛びに行ったら、学生のころにはなかった怖さを感じた、という投稿もありました
  • 週末は滑空機と超軽量動力機:土曜はグライダー、日曜は超軽量動力機に乗った、という投稿

持つなら、1人で抱えずに分ける方法がある。

これは維持費の記事で書いた「飛ばなくても固定費がかかる」の、現場の答えのひとつです。

なお、超軽量動力機は事故の報道も続いています。

2015年、航空局は関係団体へ、飛行の許可を取ることを徹底するよう指示しました(報道:wing)。

小さな機体でも、決まりと許可は同じように要ります。

スポーツパイロット免許を持つ人は見つからない

日本で「スポーツパイロット免許(米国のLSA向けの免許)を持っている」と書いている人は、見つかりませんでした。 日本でLSAを持って飛んでいる本人の投稿もありません。

これは不思議なことではなく、日本にはLSA専用の軽い免許が無いからです。

VEGAを日本で飛ばす道は、いまは自家用操縦士の免許の先にあります。

まとめ:訓練は延びる前提で1年の計画を立てる

  • VEGAの共同創業者でも、強風・梅雨・点検で訓練は延びる。1年で終わる計画を立てておく
  • 学科は過去問が中心。ただし実地試験との間が空きすぎないように
  • シミュレーターは操作の手順と機体の素性の練習に。着陸の精度やバランスの変化は実機で
  • 持つなら、共同所有という分け方がある

VEGAの引き渡しは2029年より順次。

いま訓練を受けている人たちの声は、その日に操縦席に座りたい人にとって、いちばん近い先輩の記録です。

出典

  • 堀江貴文さんのXの投稿(2026年5月6日・6月6日・6月10日・7月19日・7月21日・7月27日・8月5日):5月6日/6月10日/7月21日/7月27日/8月5日
  • Masaさん(Whiskey Papa Airshows)のXの投稿(2024年12月24日):投稿
  • そのほかの投稿は一般の方のものなので、アカウント名とリンクは載せていません。いずれも2026年9月14日にXで確認した公開の投稿です
  • 超軽量動力機への許可取得の徹底の指示:wing(2015年8月31日)

※投稿の内容は、それぞれの方の個人の体験と見解です。訓練の進み方や費用は、人・学校・天候で大きく変わります。


VEGAが飛べる日に、自分が飛ぶために

引き渡しは2029年より順次。免許の取得には6か月から1年3か月かかり、学科試験は年6回しかありません。

機体が届いてから動くのでは間に合いません。

しかもこの免許は、VEGAを待たずに今すぐ役に立ちます。取ってしまえば、いま日本で飛んでいる小型機を操縦できます。