選択肢・正解・解説つき。答えを決めてから「正解と解説を見る」を押すと、本番と同じ練習になります。
問1
ベルヌーイの定理(1つの流れの中においては動圧と静圧の和、すなわち、全圧は常に一定である。)を応用した計器で正しいものはどれか。
- (1) 対気速度計
- (2) 気圧高度計
- (3) 昇降計
- (4) 旋回計
正解と解説を見る
正解:(1)
正解は(1)。ピトー管で全圧を、静圧孔で静圧を取り、その差(動圧)から速度を求めるのが対気速度計で、ベルヌーイの定理の応用です。気圧高度計・昇降計は静圧のみを使う計器、旋回計はジャイロを使う計器です。
問2
揚力について誤りはどれか。
- (1) 揚力は揚力係数に反比例する。
- (2) 揚力は速度の2乗に比例する。
- (3) 揚力は空気密度に比例する。
- (4) 揚力は翼面積に比例する。
正解と解説を見る
正解:(1)
正解は(1)が誤り。揚力 L=1/2ρV²SCL の式のとおり、揚力は揚力係数CLに「比例」します。速度の2乗・空気密度・翼面積に比例するという(2)(3)(4)は正しい記述です。
問3
迎え角について正しいものはどれか。
- (1) 機体の前後軸(縦軸)に対して翼弦線(翼型の基準線)のなす角度をいう。
- (2) 相対風と翼弦線とのなす角度をいう。
- (3) 前方から見て翼根元に対して翼端が高くなっていく度合いを水平面から計った角度をいう。
- (4) 翼端が翼根元より進行方向に対して後方に下がっている場合、翼根元から翼端にかけての下がり方を表す角度をいう。
正解と解説を見る
正解:(2)
正解は(2)。迎え角(Angle of Attack)は相対風と翼弦線のなす角度です。(3)は上反角、(4)は後退角など翼の取付け形状の説明で、迎え角とは別物です。
問4
翼端失速について正しいものはどれか。
- (1) 翼の平面形が変わっても翼端失速の傾向は同じである。
- (2) 翼端失速を起こすと補助翼で容易には姿勢を立て直すことはできない。
- (3) 翼端失速はきりもみ、あるいは自転の原因となる危険な現象ではない。
- (4) 翼端部における有効迎え角を大きくなるように設計すると、翼端失速を防ぐことができる。
正解と解説を見る
正解:(2)
正解は(2)。翼端で失速が起きると翼端付近にある補助翼(エルロン)の効きが失われるため、姿勢の立て直しが難しくなります。翼端失速はきりもみの原因となる危険な現象で、防止には翼端の有効迎え角を小さくする(ねじり下げ等の)設計が用いられます。
問5
操縦席から見て機首に右回転プロペラを装備した単発機におけるジャイロ効果について正しいものはどれか。
- (1) 左旋回を行うと機首を下げようとする力がはたらく。
- (2) 機首下げを行うと機首をさらに下げようとする力がはたらく。
- (3) 機首上げを行うと機首を左に向けようとする力がはたらく。
- (4) 左旋回を行うと機首を上げようとする力がはたらく。
正解と解説を見る
正解:(4)
正解は(4)。ジャイロの歳差運動(プリセッション)では、加えた力が回転方向に90度進んだ位置に現れます。操縦席から見て右回転(時計回り)のプロペラでは、左旋回(左ヨー)の入力が機首上げの力となって現れます。
問6
アドバース・ヨーの説明で正しいものはどれか。
- (1) 着陸時に風上側の翼を下げて横滑りしながら進入することである。
- (2) 翼を水平に保ち機首を横風成分を修正するだけの角度に向けて進入することである。
- (3) 旋回方向に機首が向こうとする力が強く働いていることである。
- (4) 補助翼の上げ下げに伴い、旋回しようとした方向と逆の方向に機首を向けようとすることである。
正解と解説を見る
正解:(4)
正解は(4)。アドバース・ヨー(逆偏揺)は、補助翼を操作したとき、上げた翼側(下げ舵側)の抗力が増えることで、旋回しようとする方向と逆に機首が振られる現象です。ラダーの協調操作で修正します。
問7
耐空性審査要領の速度の定義で誤りはどれか。
- (1) 「VA」とは、設計運動速度をいう。
- (2) 「VLO」とは、着陸装置下げ速度(着陸装置を下げた状態で航空機が安全に飛行できる最大速度)をいう。
- (3) 「VNE」とは、超過禁止速度をいう。
- (4) 「VNO」とは、構造上の最大巡航速度をいう。
正解と解説を見る
正解:(2)
正解は(2)が誤り。VLOは「着陸装置操作速度」(脚の上げ下げ操作を安全に行える最大速度)です。着陸装置を下げた状態で安全に飛行できる最大速度は「着陸装置下げ速度VLE」で、定義の取り違えを問う問題です。
問8
バンク角30゚で定常つり合い旋回をしているときの荷重倍数でもっとも近いものはどれか。
- (1) 1.15
- (2) 1.3
- (3) 1.4
- (4) 2.0
正解と解説を見る
正解:(1)
正解は(1)。定常つり合い旋回の荷重倍数は n=1/cosφ。バンク角30度では 1/cos30°≒1.15 です。60度で2.0になることもあわせて覚えておくと便利です。
問9
重力式燃料供給系統の記述で誤りはどれか。
- (1) 燃料圧力は、燃料タンクから燃料供給先の高低差で決まる。
- (2) 燃料タンクの通気をコントロールするのはセレクタ・バルブである。
- (3) ストレーナは、燃料が気化器に達する前に燃料をろ過する。
- (4) プライマは、エンジン起動時に必要な燃料を供給するためのポンプである。
正解と解説を見る
正解:(2)
正解は(2)が誤り。燃料タンクの通気(ベント)をコントロールするのはベント系統であり、セレクタ・バルブは使用するタンクの切り替えや燃料の遮断を行うバルブです。
問10
離陸距離を短くするために考えられる方法で誤りはどれか。
- (1) 離陸重量を軽くする。
- (2) 外気温度が高い時、あるいは標高の高い飛行場からの離陸は避ける。
- (3) フラップをUP位置として加速性を良くする。
- (4) 向かい風が強い滑走路を選択する。
正解と解説を見る
正解:(3)
正解は(3)が誤り。離陸ではフラップを離陸位置(メーカー指定の適切な角度)にセットして揚力を増やし、離陸滑走距離を短くします。UP位置のままでは離陸距離はむしろ延びます。
問11
飛行中に受ける着氷の影響について誤りはどれか。
- (1) 抗力が増加する。
- (2) 重量が増加する。
- (3) 翼上面に着氷するとキャンバーが増加して揚力が増加する。
- (4) ウインドシールドに着氷して視界が悪くなる。
正解と解説を見る
正解:(3)
正解は(3)が誤り。翼上面に着氷すると翼型が乱れて揚力は「減少」します。着氷は抗力増加・重量増加・視界不良も引き起こす危険な現象です。
問12
デトネーションの防止方法として正しいものはどれか。
- (1) アンチノック性の低い燃料を使う。
- (2) シリンダ温度を上げる。
- (3) 吸気の温度、圧力を上げて末端ガスの温度を上げる。
- (4) 燃料混合比を濃くする。
正解と解説を見る
正解:(4)
正解は(4)。混合比を濃くすると燃焼温度が下がり、末端ガスの自然発火(デトネーション)を防げます。(1)~(3)はいずれもデトネーションを起きやすくする操作です。
問13
エンジンの出力に影響を与えるもので誤りはどれか。
- (1) 滑走路の勾配
- (2) 気圧
- (3) 空気密度
- (4) 外気温度
正解と解説を見る
正解:(1)
正解は(1)が誤り。滑走路の勾配は離陸距離には影響しますが、エンジンそのものの出力には関係ありません。出力は気圧・空気密度・外気温度など大気状態の影響を受けます。
問14
航空機用エンジン滑油の作用で誤りはどれか。
- (1) 減摩作用
- (2) 圧力伝達作用
- (3) 防錆作用
- (4) 冷却作用
正解と解説を見る
正解:(2)
正解は(2)が誤り。エンジン滑油の主な作用は減摩・冷却・清浄・防錆・密封(気密)などで、「圧力伝達作用」は滑油の作用として挙げられていません。
問15
トリム・タブの説明で正しいものはどれか。
- (1) 主操縦舵面の後縁に小さな金属板が取り付けてあり、飛行試験を行いながら適宜最適な角度に調整して機体の静的釣り合いを保つものをいう。
- (2) 飛行姿勢を維持するための保舵力を軽減させるため、操縦士が操作するタブをいう。
- (3) 主操縦舵面を操舵するとその動きに伴い操縦舵面とは逆方向に変位するタブをいう。
- (4) 主操縦舵面の回転アームの動きを抑制するためのスプリングが装備されている。
正解と解説を見る
正解:(2)
正解は(2)。トリム・タブは保舵力を除くために操縦士が飛行中に操作できるタブです。(1)は固定タブ、(3)はバランス・タブ、(4)はスプリング・タブの説明です。
問16
ボンディング・ジャンパの記述で正しいものはどれか。
- (1) 異種金属間の腐食を防止する。
- (2) 機体各部の電位差を少なくして無線機器や航法機器の障害を最小にする。
- (3) 避雷針としての役目がある。
- (4) 可動部分の脱落を防止する。
正解と解説を見る
正解:(2)
正解は(2)。ボンディング・ジャンパは機体各部を電気的に接続して電位差をなくし、静電気の火花や無線・航法機器への雑音障害を防ぐためのものです。
問18
滑走路上において QNE セッティングしたときの高度計の指示で正しいものはどれか。
- (1) 絶対高度
- (2) 気圧高度
- (3) 海面からの高度
- (4) 密度高度
正解と解説を見る
正解:(2)
正解は(2)。QNEセッティングは高度計の規正値を標準大気圧1013.25hPa(29.92inHg)に合わせる方式で、指示は気圧高度になります。QNHなら海面からの高度、QFEなら滑走路からの高さを示します。
問19
最大離陸重量が制限される理由で正しいものはどれか。
- (1) 床面への局部的な集中荷重が限界を超えないよう制限されている。
- (2) 着陸装置やその支持構造強度により制限されている。
- (3) 離陸時に操縦桿を最大限に引いたときに、最大揚力係数が得られるよう制限されている。
- (4) 最小トリム速度でトリムを取り、この速度で操縦桿から手を離したときに静安定が得られる条件から制限されている。
正解と解説を見る
正解:(2)
正解は(2)。最大離陸重量は、着陸装置やその支持構造の強度、上昇性能の要件などから制限されます。床面の集中荷重(1)は床の強度制限であって離陸重量の制限理由ではありません。
問20
空虚重量 3,400 lb (基準線後方 40 in)の飛行機に、前席(基準線後方 30 in)に2名、後席(基準線後方 80 in)に1名が搭乗し、燃料 490 lb (基準線後方 60 in)を搭載した場合の重心位置に最も近いものはどれか。ただし搭乗者は1名につき 170 lb とする。
- (1) 基準線後方 43 in
- (2) 基準線後方 45 in
- (3) 基準線後方 47 in
- (4) 基準線後方 49 in
正解と解説を見る
正解:(1)
正解は(1)。総重量=3,400+170×3+490=4,400 lb。総モーメント=3,400×40+340×30+170×80+490×60=189,200 in-lb。重心=189,200÷4,400≒43 in(基準線後方)です。
原本20問中19問を収録(図表を含む1問は著作権配慮のため除外)